09/07/08
09/07/06
レスラー The Wrestler
個人的にプロレスというのはよくわからない世界で、小学生の頃から熱中する友人を冷ややかな視線で見つめ適当に話をあわしていた。
ある時覚えたての「八百長」という言葉を使ったら、大のプロレスファンの岡本くんは激高し、襲いかかってきた。以来、心には思っていてもプロレスファンの前では「八百長」だとか「シナリオがある」なんてことは言わない社会的マナーを身にまとうようになった。
出張と締め切り続きだったので、少しのんびりしようと映画に行く。
雨が降っていたので『アイカム ウィズ ザ レイン』にしようとおもったが、時間が合わず『レスラー』を観に行く。
結論から言うと、ものすごく良いので、もうこれ読み終えずに行くべきで、DVDでいいやなんてさ小便臭いこといわずにさっさと映画館に行って欲しい。
09/06/29
マイケル・ジャクソンと一緒に年越し
大学生の時、マイケル・ジャクソンが好きな友人の誘いで東京ドームに年越しライブ 『DANGEROUS』を見に行った。僕は怖い物見たさで行ったのだけど、まーその、熱狂的ファンというのは恐ろしい物で始終、キャーキャーワーワー叫んでいて、歌を聴くとかダンスを見るとかステージの構成を堪能するというという様子ではなく、実にうるさかった。
しゃがんでみていたのは僕と近くにいた黒人の兄さんだけだった。
たまに目があって肩をすくめ合った。
この日は、GUNS&ROSESのスラッシュがゲストで出てきて、それなりに盛り上がり、23時頃に子どもたちがいっぱい登場して愛と平和を歌うのだけど「夜中に子ども働かせて、何考えているんだろうか」と思いながら見ていた。
で、いったんライブは終了。2345頃にもう一度ステージが開き、年越しカウントダウンがはじまる。
23:45 幕は開かない。あれ?
23:50 幕は閉じたまま。おいおい。
23:55 幕はそのまんま。まさか……。
会場がざわめき出す。
アナウンスが場内に響く。
年越しはプライベートなことなので、
マイケル様のご意向により、
カウントダウンは
個人的に行うという発表がありました。
どよめく場内。爆笑する僕と友人。泣き叫ぶファン。
「マイケル~!出てきて~!!」
腹が痛くなり、泣き笑う僕たち。
さー、混むからさっさと帰ろう。
主のいない東京ドームには観客だけのうら寂しいカウントダウンが響いた。
いやあ、やってくれたわ。マイケル・ジャクソンと楽しい気分で年越しを迎えた。
09/06/02
1Q84
村上春樹の新作『1Q84』が売れているということをニュースで聞いた。
アマゾンには在庫がないようだけど、本屋には普通に並んでいた。
発売日に北千住の駅ナカの書店で買い、「どこで読もうかなあ」と、うきうきしていると、警察官に呼び止められた。
警官はとても小さな声で、「いま、皆さんにご協力いただいています」という。
すごく小さい声だった。僕が「はい?」と答えると、鞄の中を見せろと言う。
通路の端に連れて行かれ、鞄の中を見られた。「ナイフとかないですか?」と聞くので、「あるか」とチンピラのように答えてしまう。
実際何もないのだけど、鞄をあちこち叩かれ、執拗に確認された。カバーを付けていなかった『1Q84』をちらっと警察官は見ていたけれど、頭には入っていないようだった。
そこで、「お!新刊ですね!」とかコミュニケーション能力は合っても良さそうな物だけど、警官にはそんな能力はない。気分悪い。
ついでに取材しようと「どういう、基準で見ているの?」と聞くと、「全員にです」という。
「全員見てないやん」と言うと、もう一度「全員です」と答えた。
結局何も出ず、開放される。まっこと気分が悪い。
そんな気分の中、『1Q84』を読む。
09/05/17
09/05/16
甲子園7回裏に新型インフルエンザが空を舞う。
人から人へ広がった新型インフルエンザ患者が神戸で発見されたということで、「パンデミック」を警戒する報道もまた盛り返しそう。
阪神タイガースでは7回の裏の攻撃になると、風船を飛ばす。
これは1980年代の後半に広島カープの応援団がはじめた物だけど、阪神ファンがそれを真似、今や甲子園球場の名物風景になっている。
前々から甲子園のジェット風船は汚いなあと思っていた。
飛んだ風船は20メートルほど飛んでぽたぽた落ちる。まあ、観客5万人の半分と見積もって25000人の唾液を含む空気が空に飛んでいることになる。
しばらくするとポタポタと風船が落ちてくる。
もし、ここにインフルエンザ患者がいたら……ってのは考えすぎかなあと思っていたら、オリックス・バッファローズは中止にした模様。タイガースは「冷静に判断」とのことで続ける模様。
まさか、風船屋さんも自社に影響が出るとは思っていなかっただろうなあ。
あと、どんなところに影響が出るんだろうか。
飛行機内でのサービスはCAの顔は近いなあ。スキンシップの多い保育園や介護の現場、緊急救命の現場、風俗産業、落語やお笑いの最前列(つばが飛んでくる)なども要注意かもなあ。
09/05/03
裸で踊るやら、パンデミックやら、清志郎が死んでしまうやら
読み返しようの日記です。
もう時代遅れなネタではあるけれど、草なぎ剛さんの「六本木裸踊り」は大変かわいそうな騒動であった。
ボランティアという言葉を調べているときに、寄付やお手伝いや義援行為や挙げ句の果てに兵役まで指す言葉だと知ったとき、「なんとも振り幅の広い言葉なのだなあ」と思ったけれど、「公然わいせつ罪」もまた、振り幅の広い言葉だ。
あんなので家宅捜査までするのか。でも、あとで麻薬を疑われるなら「シロ」とわかった方が良いか。
日本のトップスターが、酔い誰もいない公園で裸でダンスをしているなんてなんと素敵な光景だろう。1960年代のアメリカニューシネマあたりの作品で描かれるような世界観だ。
馬鹿なテレビ局は韓国の街頭インタビューを行っていたが、ソウルの男性は「韓国ではそんな人はたくさんいます。ぜひ韓国で踊ってください」と言っていた。このコメントを聞くと、隣国のほうがまだ自由な気風はあるようだ。
この曲を聴いていると草なぎさんのことを思い出した。
そのうちこういう心境になるかもしれない。
あと、新型インフルエンザの影響をちらほら聞くけれど、これは数年前から言われていた。たしかにインフルエンザに対して立ち向かうことは必要だけど、予防にほとんど効かないマスクを奨励するなど(広げてしまわないという意味はあるけど)きちんとした情報がメディアを通して伝わっていない気がする。
だいたい、今薬局で売っているマスクは花粉予防のマスクであって、そんな網目はインフルエンザウィルスは容易にすり抜ける。前に聞いた話だと、マスクの目が一畳ほどだとすると、ウィルスはピンポン球より小さいのだそうです。
ウィルスにかからないよう心配すしぎ、パニックになるより、年間1万人近い交通事故死や年間3万人の自殺者にならないように気をつける方が良い。もちろん、用心は必要だけど。
09/03/27
滋賀・尾賀商店にて田園ドリーム展覧会を開催
4月19日まで滋賀県近江八幡の尾賀商店switchで『田園ドリーム』を開催しています。
展示は京都と同じ内容の物ですが、里帰りというか滋賀の風景は滋賀で見るとまたいいなあと感じました。
尾賀商店は砂糖問屋だった建物にあります。
江戸時代の日本には砂糖の精糖技術が無く、東南アジアでオランダの商人が買い付け、その後、全国へと広まっていきました。
尾賀商店にはカフェ、ギャラリー、はんこ屋、陶芸屋、照明屋などが入り、ただ店の中を散策するだけでも楽しい雰囲気です。
現在、展示をさせてもらっているスペースは本来は骨董店。オーナーの村井さんは波乱万丈の生涯を生きぬくサバイバー(若いのに)。ナイスガイなので、いたら声をかけてみてください。
・尾賀商店
http://oga-showten.com/
●お問い合わせ
尾賀商店
近江八幡市永原町中12
TEL:0748-32-5567
4月12日には二階堂和美さんのライブが尾賀商店内で開催されます。
チケットがあと少しなので、ぜひ!
・二階堂和美
http://www.nikaidokazumi.net/
http://www.myspace.com/kazuminikaido
http://www.youtube.com/watch?v=9P1nl8HuCh8&feature=related
会場で配布しているフリーマガジン。絵はnakabanさんです。
09/03/14
ピースのうまいオノ・ヨーコ、礼儀正しいショーン・レノン
ショーン・レノンに取材に行く数日前、彼のステージを恵比寿リキッドルームで見ていた。ショーンが立ち上げたキメラミュージックの初お披露目だったそうで、「所属アーティスト」として、オノ・ヨーコも登場した。
以前、友人が一緒に共演したことがあって、感想を聞くと「おっぱいが大きかった」と言っていたが、本当に無駄にぶるんぶるんしていた。そして、横山やすしのような帽子をかぶり、ヨーコはシャウトした。
ぶるんぶるん、ォオオオオオゥウウウウ!
アヘアヘア!
ぶるんぶるん、ォオオオオオゥウウウウ!
アヘアヘア!
横山やすしの仮装をした狂ったオランウータンのようだと思った。
失礼に聞こえてしまうとは思うけれど、その野性味溢れほとばしる感じは、人間のようには見えなかった。とっても原始。とってもクレイジー。
客がドンドン引いていくのが手に取るようにわかったが、もうそんなこと気にしないんだろうなあ。世界水準のどん引き芸は、山崎邦正に見てもらってこの芸は吸収して欲しい。
http://www.youtube.com/watch?v=_Cha-DhlDok
さて、その息子はと言うと、非常に礼儀正しく落ち着いた青年だった。
09/02/20
ソバットシアターによる『電信柱エレミの恋』という映画が完成
いつも一緒なら話は別だが、たまに会う高校時代の友人に会うのは照れくさい。人生で一番恥ずかしい時代を過ごしている。思い出や無理矢理忘れていた記憶が甦るからだ。
高校時代から友人で、中田秀人という男がいる。特にべったり仲が良かったわけではないが、まあ、馬があうと言うのだろう。たぶん、72時間くらいなら連続であほな話をし続けることはできると思う。実際に、バンコクのチャイナタウンで3か月弱一緒に暮らしたこともある。
彼は映画監督で主にパペットアニメーションと呼ばれる人形映画を作っている。人形映画と呼ぶと、もしかすると彼の表現には合わないかもしれないが、僕はそれ以外の言葉を知らない。とにかく、人形が動く映像を作っている。
先日、中田から連絡があり8年がかりの46分の映画が完成したという。2.3年前から「もう少しでできる」と言い続けていたので、完成したと聞いたときには「ほーーーー」っとした。本当に深い安どの息をついた。
原作は僕が大学の卒業制作で作った本だった。
当時、彫刻科の学生だった僕は4年生になって、ようやく彫刻の才能が無いと知った。
「絵を描いて、文書いて、デザインできたらどこか潜り込めるだろう」という浅はかな考えで本を作ることにした。
09/02/06
詐欺師に欺される喜び
L&Gという詐欺グループの会長が逮捕された。
彼は稀代の詐欺師で、日本初のマルチ商法の実践者であったというのに、なぜ人は欺されるのかと不思議に思う。と、どのテレビ局も言う。
円天という楽天もろぱくりのネーミングセンスといい、「減らない金」という絶対破綻するロジックといい、もうマルチの匂いがプンプンするのに、怪しい以外の何者でもない。
が、うちにある『詐欺師入門』という本によると、詐欺は大きければ大きいほどよい。でたらめであればでたらめであるほど信じる人がいるのだそうだ。
詐欺とは言えないかもしれないが、徳川埋蔵金、日本軍M資金に類する話はたくさんある。大きいと把握できないし、でたらめであればなおさら把握できない。人は結局、好きか嫌いかで判断してしまう傾向があるから、波和二会長自身は強烈なカリスマと壮大なストーリーテラーとしての才能を持っていたんだろうと思う。
もしくは、そういう危険な匂いに人はカリスマや希望を見いだすのかもしれない。
うちの父は詐欺師に欺されたことがある。
09/02/05
終電前の不夜城
新宿で打ち合わせ後、担当編集者のKさんと相方と三名で歌舞伎町の上海料理の店に行く。
馳なんとかのしょうもない原作映画『不夜城』の冒頭シーンに使われた店。
ものすごく適当な店で、今のところ俺中華ランキング1位。
椅子はパイプ椅子、至る所に店長のプロマイド、サラは全部バラバラ。
Kさんは「中国って行ったことないけど、こんなんなのでしょうね」と言うが、中国では……そんなことはない。
案外、食器は全部揃ってるし、結構きちんとしている。場末の店でも清潔ではないけれど、食器は使い捨てだったかな。
ここはなんというか、歌舞伎町という場所に来て、経済的に逼迫しているうちにこういう独自の無茶苦茶な感じになったのではないだろうか。香港の路地裏の店やバンコクチャイナタウンの屋台でももう少しちゃんとしているような気がする。
が、味がめっぽううまい。
09/01/26
F先生のこと。
取材でFさんに会いに行った。
Fさんは大学時代の恩師でもあるので、現場では「F先生」と呼んでいた。インタビューをしながら学生時代に戻ったような気持ちになった。当時は「Kさん」とお呼びしていたように記憶している。Fさんには偉大な彫刻家の父がいたためだ。
大学時代に習った彫刻と、現在の僕の仕事は全く関係がない。いまだに文法はおかしいし、つくづくインタビューは下手だと思う。でも、まあなんとかそれで食っていけているのだから、「なにかしらのものはあるのだろう」という希望的観測の元に続けている。鈍感さは仕事を続けて行くには必要だ。
吉本隆明さんに「10年は続けなさい。そうすると何かにはなる」と言ってもらえたのは大きい。たしかにそれで10年食えたら、うまかろうが下手だろうが、「なにか」ではあるのだろう。
09/01/19
そして、私たちは愛に帰る
トルコを旅行したとき、おっさんにずいぶんモテた。少し話せばすぐにお茶や軽食をおごってもらえた。で、チャイを一緒に飲んでいると「東京に友人がいる、サイトウしってるか?」と聞いてくる。「おっさん、東京に何人サイトウがいるとおもってるの?」とは言わず、「しらんなあ」と答えると、「そっかー!」とがっかりする。
知り合った中に、イルハンという元六本木在住の不良トルコ人がいた。マリファナすうわ、酒飲むわ、女大好きだわ、インターネットで日本のエロサイトを見たいという、まーアホな奴なのだけど、猫を愛する良きトルコ人だった。
そんなことはすっかり忘れて『そして、私たちは愛に帰る』(ファティ・アキン監督)という、トルコとドイツの合作映画を見た。
09/01/15
田園ドリーム
2月1日まで京都・COCON烏丸のshin-biにて写真家のMOTOKOさんと井上とで展覧会をしています。
※上の写真はMOTOKOさんの作品です。場所は針江、石津さんの雑草刈りの風景。
これはここ数年、滋賀に通って取材をまとめた物で僕は記録写真と言葉を組み合わせた映像作品(スライド)と、8Pのフリーマガジンを作成しています。
京都に行く機会がある人は是非。
http://www.shin-bi.jp/modules/wordpress3/index.php?p=64
09/01/12
ロックアウト!締め出し
昨年末から4回ほど通っているNPOの取材に朝から行く。ある障がいを持っている人たちのサッカーチームの練習。わりとみんなゆっくりな子が多いのだけど、そうとう上手な子もいて、まちがいなく僕より才能がある子もいる。
僕は中学までサッカーをやっていたのだけど、明らかに今の方がうまい。
昔はディフェンダーだったのだけど、それがそもそも向いていなかった。この年になってようやく僕はトップ下のパサーなのだと気がついた。選手の速度に合わせてパスを送り、点が入るのはかなりの快感だった。
いや、編集やインタビュアーの仕事をしてそういう技術を身につけたのかもしれないけれど、まあ、そんなことは今になってはどうでもよい。
天気がよいので笹塚から新宿に歩いて帰ることにした。革靴を履き替え、リュックからスニーカー(体育館で履いていた)を取り出そうとしたら「ない」。編集部の車の中に置いてきてしまった。
革靴で1時間ほど歩き、前から買おうと思っていたので新宿でスニーカーを買う。家に戻り、さあ原稿を書こうと思いながら、鍵を開けようとすると今度は鍵がない。
この後10時間家に戻れなくなる。
08/11/29
スペインの好色男、アルゼンチンのコメディエンヌ
サントリー美術館のピカソ展に行く。ピカソはなんだか知り合いのおっさんに会いに行くような気軽に見に行ける感じが良い。キュビズム以前の若々しい時代は本当にうまいなあと思うし、晩年の「少しは枯れろよ!」と言いたくなるような元気な絵は見ていて楽しくなる。
現在、パリのピカソ美術館の改修工事で行われており、たくさんのコレクションが世界巡業をしている。おかげで、六本木で二カ所で行われている。なんで一カ所でやらないかは謎。
子どもの頃、ピカソの絵は「わけのわからない芸術」の代表格だったけれど、もはや時代の中にうまく取り込まれ、消化され、いまさら「ピカソの絵はわからない」と言う人の方が、希有な例だろう。
だいたい、絵を「わかる」っていう鑑賞姿勢がすでに高慢というか、なんつーか。んなもん数分見て「わかる」方が恐ろしいし(美術評論家になればいい)、わかったところでねえ。
相方と美術館内で待ち合わせるが出会わない。出口で待っていても出てこない。もしやと思っていると、国立新美術館の方にいた。。。うむむ。こんな人も多かろう。
東京ミッドタウンで合流し、ビルボードライブ東京にファナ・モリーナのライブに行く。
08/11/25
ああ、そうかもういないかの巻
先日、八ヶ岳にトレッキングに出かけた。南八ヶ岳にしらびそ小屋という山小屋があり、数年前にその小屋の様子を雑誌で読んで「いきたいなあ」と思っていたのだ。
昨年の秋、いざ行かんと思っていたちょうどその日、台風が関東を直撃し計画がパーになった。翌日、天気が良かったので丹沢の塔の岳のバカ尾根を登り、降りる際に靱帯を痛めてしまう。で、その1週間後おとなしくしていれば良かったのに雲取山に出かけ、完全に足を痛めてしまった。相方に荷物を持ってもらい、友人らに助けられようやく下山した。もう少しで救助隊を呼ぶほど足が言うことを聞かなかった。
半年は足が張り、行きつけの整体院でも「まだ……張ってますね」とびっくりされた。
で、一年以上が過ぎようやくしらびそ小屋に行くことができた。
08/11/19
嗚呼、キングジムよ良くやった! デジタルメモ「ポメラ」即購入
ただ文字を打つだけのデジタルメモ「ポメラ」という商品が出た。
記憶できるファイル数は少ないし、モノクロだし、ネットにはつなげないし、画面は小さいし、バックライトは付いていない。もう、ナイナイ尽くし。
できることは「文字が打てる(ATOK内蔵)」。これだけ。
しかし、これがなかなか素晴らしい。
電源を押せばすぐに起動し、前回開いていたテキストデータが立ち上がっている。
キーボードも小さいことには小さいが、スマートフォンのような人間の体を無視したようなバカな形にはなっていない。僕は男性で指は太い方だが、タッチミスや押しにくいということはほとんどなかった。
ATOK内蔵なので、変換もあまりストレスを感じない(もし、IMEだったら絶対に買わなかったけど)。
08/10/28
小浜島のタコ男
小浜島の海岸を歩いていると、潮の引いた海に佇む男がいる。
微動だにしない。「何が取れるんですか?」と尋ねると、タコだという。
先日、取材先のおばあの家でタコをごちそうになった後だったので、近くで見せてもらう。
オヤジは帽子とサングラスで顔が見えない。
「タコと人間の戦いだよ。いや、自然と人間だな」。
いきなり名言をぶつけられる。
漁の名前はあるんですか?と問うと、「名前はないなあ」とつぶやく。
「穴にタコの好物のエビをつけ、わらを差し込む。タコが一の力で引くと、一の力で引く。そして、体が出てきたところで。突き刺す!」
無駄のない、クールな説明。
オヤジは4つのわらを仕掛け、その中心に立っている。
「……あれが来た!」
一本のわらが少し動いた。


